人が快適に感じる室温は、夏は25度~28度、冬は20度~24度ほどと言われています。快適な室温を1年中保つためには、新築時に外気の影響を受けにくい工夫を取り入れる必要があります。
この記事では、快適な室温を保つための家づくりの工夫について紹介します。
□快適な温度を維持できる家のメリットとは
室温を快適に保てる家にすれば、さまざまなメリットを享受できます。
1つ目のメリットは、ダニやカビの発生を抑えられることです。
室温を一定に保てず、1日の中で寒暖差が激しくなると、結露が発生しやすくなります。結露は目に見えない場所にも発生するので、放置しておくとダニやカビの原因となってしまうので注意しましょう。また、これらはアレルギーの原因になり、健康にも悪影響を及ぼす恐れもあります。室温を1日を通して一定の快適温度に保つことで、寒暖差がなくなり、このようなリスクを抑えられるのです。
2つ目のメリットは、耐久性が高まることです。
木造住宅の場合、結露が発生すると柱や梁などの木を水分を吸収してしまいます。木は水分を含みすぎると腐食の原因となってしまうので、結露や湿気は木造住宅の大敵といえます。室温を一定の快適温度に保てる住宅であれば、家を支える木の腐食を防げるため、耐久性が高まるのです。
3つ目のメリットは、健康被害のリスクが下がることです。
特に高齢者や小さなお子様がいらっしゃるご家庭では、ヒートショックや熱中症が心配ですよね。ヒートショックは急激な温度差により発生するため、部屋間で温度差が激しい家は注意が必要です。また、室内温度が高い家では、夏に冷房をつけていても熱中症になる危険性があります。1つの部屋の室温を快適に保つだけでなく、部屋間の温度差を最小限に抑えて、家全体が快適温度の家づくりを心がけることで、健康被害にあうリスクを抑えられるでしょう。
□快適な室温を維持するための工夫!断熱化と気密化について
部屋間で温度差がなく、家全体が快適な温度が維持された空間を実現するためには、家の断熱気密化が欠かせません。1部屋のみではなく、建物丸ごとを断熱気密化するのがカギです。とはいえ、家中が全く同じ室温で温度差ゼロを保つことは不可能です。なぜなら、暖かい空気は上にいきやすかったり2階の方が太陽に近かったり、間取りによって空気が滞る場所があったりするからです。温度差をゼロにすることは難しいですが、最小限に抑えることは可能です。目安としては、外気と室温の差が7度以内、部屋と部屋の室温の差が5度以内にすると良いでしょう。家の断熱化や気密化を実現するためには、新築時にコストがかかります。しかし、長い目で見ると暮らしの快適さが高まり、家族の健康面や建物の寿命の面でもメリットを享受できます。また、冷暖房を常に稼働させなくても、快適な温度をキープしやすくなるため、冷暖房費の削減にも繋がります。そのため、家の断熱化や気密化への初期投資は惜しまないことをおすすめします。
□まとめ
今回は、快適な室温を保つための工夫と、そのメリットについて紹介しました。